支援員 笹木 雄次

駒沢大学

経験を積むことが出来れば、大きな自信になる

直接的に他人と肌を触れ合って仕事をする

私が「こいしろの里」を知ったのは8年前です。当時、小学校三年生だった長男が軽度の知的障害を持っているために、小学校の夏休みに日中一時で預けてお世話になったことがあるからです。自宅の近くにも知的障がい者施設はあったのに、何故こいしろの里なのか、自分の息子に対し誠に無責任な話しですが、はっきりと覚えてはいません。多分、介護の仕事をしていた妻が、同僚から話を聞いて私に相談したのだと思いますが、妻の記憶も曖昧で、お互いに無責任極まりない夫婦です。今考えれば近所の目を気にして、近くの施設へは預けたくなかったのではないかと思います。

こいしろの里へ来て、最初のひと月は新人研修を受けたのですが、最初の一日目のビデオ研修でとても衝撃を受けることになりました。そのビデオは障がい者の方が見える世界を表現しているものでしたが、まさに我が息子と同様のような少年が出演しており、同じような行動をとり、同じように思考していました。そして私たち夫婦と同じように近所の目を気にする、その少年の両親も出演しており、まさに自分の気持ちを言い当てられた気がして、ショックをとても受けました。

物覚えの悪い私は、新人研修から予想通り苦労することになりましたが、一日目のビデオ研修で感じた衝撃を思い出して何とか研修期間を終え、現在はや二カ月半がたとうとしています。

この二ヶ月半は最初の衝撃を上回る衝撃の連続でした。それは、大学を卒業して以来、いわゆる「物」を対象にした仕事しかしていなかった自分が、初めて「人」を相手にした仕事をしたからではないかと思います。もちろん物を相手にした仕事といっても、やはり人との接触はあるわけで、一番難しいのはなんと言っても人間関係ということはわかっていましたが、直接的に他人と肌を触れ合って仕事をする、というのは一般企業とは大きく異なる点だと思います。それだけに苦労はたくさんありますが、非常にやりがいのある仕事だと思います。私に関して言えば、くじけそうになりながらも続けることができているのは、やはりあのビデオの衝撃が自分をそうさせているからだと思えてなりません。また、自分の将来を考えても、この仕事をこなして経験を積むことが出来れば、大きな自信になる、と思えるからです。将来、福祉の仕事を希望される方は、おそらく私と同じように、何か少しでも社会に役立つ仕事をしたいと考える人ではないかと思います。そんな方には是非お勧めの仕事である、と僭越ながら思う次第です。

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